ハート飾り枠
       トヨタ記念病院 ハートフルコンサート
プログラム
   演奏:丹羽 みどり/きょーこ                 2003年10月29日(水)
ハート飾り枠
 
  1 (連弾) ドレミの歌 「サウンド・オブ・ミュージック」より Richard Rodgers
   
2 (ソロ)きょーこ Innocent 映画「天空の城ラピュタ」より 久石 譲
 
3 (ソロ)きょーこ 虹の彼方に 映画「オズの魔法使い」より E..Y.ハーバーグ
 
4 (連弾) 大きな栗の木の下で 外国曲
   
5 (連弾) 小さい秋みつけた 中田喜直
 
6 (連弾) 月夜の物語
月の砂漠(佐々木すぐる)〜月(作曲者不詳)〜荒城の月(滝廉太郎)〜月夜(フランス民謡)
編曲 野呂芳文
 
7 (ソロ)みどり めぐり逢い TVドラマ「Age'35」より アンドレ・ギャニオン
 
8 (ソロ)みどり 夏の終わり カルビー「夏ポテト」 CF曲
ANB系全国ネット「熱闘甲子園」エンディングテーマ
森山直太朗
 
9 (ソロ)みどり forgiveness 浜崎あゆみ
TVドラマ「高原へいらっしゃい」主題歌
CREA+DAI
 
10 (ソロ)みどり ミス・ア・シング エアロ・スミス
映画「アルマゲドン」より
Diane Warren
 
11 (フルート&ピアノ) 赤とんぼ 山田 耕筰
 
12 (フルート&ピアノ) 海の見える街 映画「魔女の宅急便」より 久石 譲
 
13 (連弾) LET IT BE THE BEATLES P.マッカートニー&J.レノン
   
14 (連弾) 明日への扉 I WISH
「あいのり」主題歌
ai
コメント:
 オープニングテーマ曲「ドレミの歌」からソロへと。
 中間の連弾では「季節感のある曲」。
 フルート&ピアノ曲では、「季節の曲」と、きっと誰でも知っているかなーと思う曲。
 最後の連弾では、ビートルズ・デビュー40周年シリーズ第5回目。そして、今回から「世界に一つだけの花」に代わり、「明日への扉」を演奏します。とっても元気の出る曲です♪ (コメント:碧)


ソロ曲コーナーについて

☆Innocent・・・・はじめにこの曲を知ったのは、『天空の城ラピュタ』の主題歌「君をのせて」というタイトルのものでした。今回弾く曲には「Innocent」というタイトルがついています。私がもつInnocentということばの語感は、「無垢さ、PUREさ、こどものような素直さ」です。タイトルをみたときにすぐにそういうイメージが浮かびました。
 好きなものは好きと(いろいろかんぐったりせずに)感じる心、ほしいものはほしいと求める(疑ったり、恐れを感じても、それでも自分の気持ちにすなおに)純粋さ、素直人間関係の影響をまだ受けていない頃の、小さな小さなこどもが持っている、あの無垢さ、PUREさ、純粋さ、素直さ。
 このイメージは『君をのせて』の歌詞にもつながります。

 innocentだから「とうさんが残した熱い思い」を純粋に求めていけるのか。innocentだから「あのどれかひとつに、君がいるから」と、無垢に信じられるんだ・・・・タイトルは違うけど、やはり作った人たちの思いは一致していたのですね、きっと。
 このイメージに、私自身が曲から感じた別の意味での素直な気持ちをこめて弾けたらなあと思います。

 (見えない何かに)守られているわたしたち。この曲を目をとじて聴いていると、目の前に温かい、大いなる風景がひろがります。空、あたたかく空と大地を包み込むたそがれ。「地球は回る・・・ぼくらをのせて」。誰に守られていると感じられなくても、この大きな地球に包まれて守られている、という無垢な大きな信頼と安心感。だからこそ素直に求めたいものを求めていく。そういう気持ちが音に表れてくれたら嬉しいです。
 が。しかし、これをどうやって音で表現するんだろう・・・。模索中でゴザイマス(煩悶)。

 本当は、上記のようなことばよりも、頭の中にさーーーっとイメージが湧いて来たのが先でした。以下に一番それに近い画像をアップさせていただきます。(コメント:きょーこ)

☆虹の彼方に・・・・映画「オズの魔法使い」の中で使われた曲。なんとこの映画、1939年に作成されたものです。
そのころから現在まで親しまれてきた、とてもポピュラーな曲です。
私の愛弟子「きょーこさん」のテーマ曲として、ほぼ毎回弾いています。(コメント:碧)
「いつも心に希望のともしびを・・・・」「虹の彼方には、輝く希望の未来が待っている♪」というイメージを音楽で表現します。(コメント:きょーこ)

★めぐり逢い・・・・私のテーマソングとして、毎回弾きます。この曲に込めた思いはこちらをご覧ください

夏の終わり・・・・この曲のメロディーを聴くと何故か「懐かしい」印象、日本の情緒を感じるのではないでしょうか?実はこの曲も、「日本的音階」が使われているからです。音階の第4度音と第7度音、つまり、「ファ」と「シ」の音を欠いた5音音階・・・・いわゆる、「ヨナ抜き音階=日本的音階」を使ったものです。
 音楽は感覚的な要素が多いですが、いろいろこだわりを持ち調べてみると、意外にその論理的な理由というのもみつかります。そうすれば、音楽は数倍身近になり、もっっと興味を持って聴いたり演奏したりできると思います。
 この曲については、歌詞に使われている言葉も「日本的」な言い回しが多く、まさに曲と歌詞がぴったりした作品と言えます。
 私は、この曲の歌詞は「戦争」のことをテーマにしていると感じているので、いつもよりも増して丁寧に心を込めて弾きたいと思います。

forgiveness・・・・この曲は8分の6拍子、歌謡曲では珍しいと思います。歌詞の意味を音色で表現しようと思います。
この曲が使われた「高原へいらっしゃい」というドラマは最近リメイクされたものですが、私は昔版のころから好きだったので、必然的に歌詞の内容とドラマの内容がイメージとして結びついてきます。
 映画やドラマで使われている曲というのは、やはりそういった意味を持つことになるので、必ず弾く際には、そのドラマなり映画なりを観ないといけないと思います。

ミス・ア・シング・・・・エアロ・スミスの曲で、映画「アルマゲドン」の主題歌。地球を救うため、自分の身の危険も省みず宇宙へ旅立った恋人と、その帰りを信じて待ち続けた彼女、そして彼女の父はその命と引き換えに地球を救い、彼氏は無事に帰還・・・・という映画のストーリーを思い出しながらこの曲の歌詞を読むと、メロディーが心に響いてきます。
曲は、映画の中間部に少しと、エンディングで流れています。



 演奏日のエピソード  2003年10月29日 UP♪

 演奏会場が玄関ロビーから「北病棟レディースフロア1階 談話室」に変わり、初めての演奏日でした。
ピアノはきちんと調律されており、こじんまりとした12畳ほどのスペースで、ピアノの上部が3階まで吹き抜けになっており、かなり音が響き渡ります。どのくらい響くかというと、自宅ではハーフペダルを踏んでいた箇所も、弾いている時に音を聴きながら、ペダルをなしにして演奏してみて丁度よい響き具合でした。

 本当によく響くので、「高音部がメロディで低音部が伴奏」という曲の時には、低音部をかなり静かに弾かなくてはいけません。それから、高音部が和音になっている場合も、しっかり上の音を出して弾かなければいけません。でないと、うるさい響きになってしまいます。弾いている音をよく聴きながら、より良いバランスにする勉強、また、ペダリングの勉強の場として、とてもよい会場だと思います。
(もちろん、ピアノの屋根は上げずに弾きます。)

 また、談話室といっても、スペース的な構造になっているだけで個室状態にはなっていないので、その場にいらっしゃらなくても、自分の部屋にいらっしゃる方でも、十分音が届きます。
 ですので、今日は、談話室には3名ほど患者さんが座ってお聴きくださっていましたが、2階、3階の吹き抜けのところから見下ろすようにして聴いていらっしゃる方もおり、演奏が1曲終わるごとに、「ありがとう」とか、「上手だねー」と声をかけていただきました。こちらこそ、聴いていただいてありがとうと思うくらいなのに、喜んでいただけてよかったです。
 その場にいらっしゃらなくても、病室で横になったままでお聴きくださっている方がいらっしゃるんだろうなーと思うと、今後、ますますがんばろうと思いました。
 こちらの場所に変わって良かったと思います。本当の意味の「ボランティア」という感じですし、ロビーの時よりももっとアットホームな感じですもの!

 それから、今日は初めての場所ということで、30分前にはピアノの場所についてしまい、かなり余裕でした。そこで、ちょっと廊下などを探検してみました。すごいです、ウッドデッキになっているしゃれた中庭があり本当にホテルのようでした。病室は全て女性専用の個室だそうで、私も入院するなら、ここがいいなーと思いました。(入院中でもピアノを弾かせていただきたい・・・・(汗)
 それと、談話室の壁に2枚の「ピアノのリトグラフ」が飾られてあり、それがすごく素敵でした。眺めているだけでなんともいえないあったかい気持ちになれます。(ウチのレッスン室にも欲しいなー♪)
♪「潮騒のピアノ」・・・・マリンブルーのピアノで、中にお魚が泳いでいて、鍵盤がにっこり笑っている。背景はもちろん海で、サーファーとか船が描かれている。
♪「赤いピアノ」・・・・文字通り赤いピアノで、ピアノの上には花瓶に花がいけてあり、背景は草原で、馬が駆けていて、窓際には白い猫が描かれています。こちらもピアノの鍵盤はにっこり笑っている。

 さてさて、今日の演奏についてですが、全曲共、しっかり心をこめて弾くことができました。
実は昨日、炭を送ってくださった高崎小学校の鈴木先生と生徒さんたちから、「応援しています」というメールをいただきました。
今日の私の演奏は、かなりその励ましのメールでよりいっそう心のこもった演奏になれたと思います。
中でも、「めぐり逢い」は、鈴木先生も大好きな曲だそうで、その曲を弾いている時、あの「しんちゃんクラブの写真」が私のイメージの中に浮かんできて、弾いていてとても満足できました。高崎小のみなさん、ありがとうございました♪
 次回からは、リクエストの「優海」も弾こうかなーと思います。(にこっ) (^_^)w
(以上 コメント 碧でした 2003.10.29)

きょーこさんの感想 2003.10.30 UP♪

 新しい病棟でのコンサートは、こじんまりした、明るい配色の談話室で行なわれました。「コンサート」というよりは、患者さんのためのBGMに徹することが出来る場だなあと感じました。
・・・と同時に「BGMに徹する」ためにはもっと自分の音に細かく気を配って「音楽」を奏でなきゃいかんなあ・・・というのが反省であり感想です。

 今までだと、だだっ広い場所で音響もなんだか野放し状態の待合ロビーだったため、ずっとざわざわしていて、聴いている人もいれば馬耳東風の人もいて、気分的にはずっと楽でした。
 もちろん以前も聴いてくださること、弾かせていただけることへの感謝は今回と同様ありましたが、私自身の中に甘えがあった気がします。
 今日、わかりました。曲がとりあえずメロディックに弾けて、曲想もそこそこ出せたら(出せた気分になってただけかも???)なんとなくほっとしてしまっていた気がします。

 これからは、病室で音だけを聴いていてくださる患者さんや、ナースステーションでBGMがわりに聴いてくださってる方々が
いらっしゃるので、私自身、本当に自分の音をよく聴きながら、聴いてくださる人にとって騒音にならないよう、音楽を奏でよう!と肝に銘じました。
 これは次回へ、そして今後ずっと続くであろう宿題であり課題です。そのためには練習の仕方を変えたり、練習時間を多少増やしたりしなきゃいけないなあ。時間をいかに作り出すか、という課題もおまけでくっついてきました(きゃー)。

 単にひとつひとつの音だけではなくて、より丁寧に「音楽」を演奏したい、「気持ち」を伝えるような音楽を奏でたいなあと思いました。とにかく、心理面でも技術面でもさまざまな課題を胸に刻んで帰ってきました。

細かい感想と反省は以下の通りです。

☆ソロ
「Innocent」
ミスタッチはあったものの、環境も音響も変わった場所での初めての演奏だということを考えれば、まあ、がんばったかなって思います。
 途中でちょっとのりすぎて&緊張して走りすぎましたが、弾いている間中、曲のコメントに書いたような気持ちをずっと保つことができました。走りすぎて和音がユニゾンになってしまったりしましたが、「音楽」は流れ続けていたと思います。もちろん満足というわけではないので、今後もブラッシュ・アップをしていきますが、とりあえずは、○。

「Over the Rainbow」
今までで一番×!でした。ミスした数こそ、少なかったのですが私の中で音楽が止まってしまいました。私自身が音楽の中からとび出して、外の会話が耳に入ってしまったり…。なんていうのか、気が散るというのともまた違う…。なんだったんだろう、あれは。結果、1箇所止まってしまうハメになりました。
 そのあとは、逆に腹をくくることができて、再び音楽の中に入っていけたのですけど、なんともあの瞬間が狐に鼻をつままれたような気分で、不思議です。今まで「あ、しまった!」とか「はずした!」って一瞬思っても、頭の中を流れる音楽自体がストップすることはなかったのに。

 なぜ、今回それが起きたのでしょうか?ただいま原因を自己分析中です。対策としては・・・。
やっぱり集中力なのでしょうけど、この曲に関しては、かなり長い間弾いていて、手がかなり自然に動いてくれるところまでいってるだけに、うーん、何ともいえません。「楽器を弾いているんだ」という意識ではなく、「音楽に入りこむ」意識の持続が課題
というところでしょうか。難しいです。

☆フルート
精進いたします。

☆連弾
「ハートフルコンサート」に出させていただいて2回目に連弾をはじめて弾いたときのことを思い出しました。なんだか緊張していました。反省点はやはり相手パートをしっかり聞きながら演奏するということでしょうか。あと、弾きこみが足りていない曲もあったので、これに関しては言い訳はナシ。

☆☆☆☆☆☆ 半年たちました・・・の感想 ☆☆☆☆☆☆

 4月から弾かせていただくようになって6回目のコンサートでした。人前で弾かせていただける(しかも、こんな未熟な腕前のピアノを聴いていただける)ことだけではなく、私自身を発見させてもらっていることに感謝しています。
 これは普段の生活にもあてはまるのかもしれませんが、メンタルな部分で私自身のいろんなことが見えてきました。私は、以前は多少失敗を引きずるタイプだったのですが、少しずつ変りつつある気がします。

 考えてみれば、「できなかったーー」ってくよくよいつまでも悩むことはある意味傲慢でもあるのかなあ・・・とか。
だって、みどり先生のところに通いはじめてやっと1年半経つくらいの私ですもん。もちろん常に「今の自分なりのベスト」は求めていきたいですが、でも、それができなかったとしてもできないなりに、それが今の自分の限界なのだと私自身を正面から受けとめて、そこから再出発すればいいんじゃないかなと思うようになりました。

 なので、失敗(ミスタッチとか、そういうことではなくて、自分が求めていたものが出せなかったという意味での失敗、または、論外にぼろぼろに間違えた場合の失敗です)しても、ひきずらなくなりました。くよくよ振り返ることに時間を使うよりも、「次回には今回よりも少しは成長しているんだ」っていう希望を持って、ハノンに立ち戻るとか。

 私自身の扱い方がだいぶ上手になってきました。そしたら、家での練習も先生のところでのレッスンも、一層楽しくなってきました。だって、毎回あたらしく学ぶことが出てくるのですから。嘆いてるヒマがありません。

 このメンタルな変化は、ハートフルコンサートで弾かせていただく機会を与えてもらえたからこそだと思います。だから、連弾など、へたくそな私に指導をしてくださる先生をはじめ、聞いてくださる患者さん、この企画に関わっている病院のスタッフの方、病院で施設や設備のメンテナンスに関わっている方などなどすべての人に、間接的に育てていただいてるんだなあって思います。やっぱり一人で生きてるんじゃないんだなあって、しみじみ。
 なんか、テーマが大きくなってしまいましたが…。

 以上、長文におつきあいくださいましてありがとうございました。

 あ、最後に。
 けいこさーーーん、是非もどってくださ−い!
 やっぱり、いらっしゃらないと淋しいです〜。Please come back.

他の演奏日のプログラムを見る

ハートフルコンサートのページへ戻る トップページへもどる