Playing Love 愛を奏でて    作曲:Ennio Morricone


映画「海の上のピアニスト」の中の1曲。



 主人公である、「1900」は、客船の中の、ピアノの上に生後間もないころに捨てられていた。
その1900は、8歳くらいのときに、誰が教えるでもなく、ある晩皆が寝静まった夜中に、ピアノを弾いた。
その曲を聴き、だれもが、「いい曲だ」と感じた。

 1900は、生まれてから一度も船を降りたことがなかったにもかかわらず、ピアノでさまざまな曲を弾いた。
ある日、友人のトランペット奏者が、彼に聞いた。「いったいどこからその音楽が生まれてくるんだい?」
すると彼は、客席にいるいろいろな人を示し、「たとえばほらあの人は、こんな感じ・・・・」と言って、
次々とその客の様子をそのまま音楽にしてしまった。
 
 この「Playing Love 愛を奏でて」は、
 あるとき、レコード会社の男が、ナインティーン・ハンドレッドの演奏をレコード録音するために乗船した。
録音機を前にしぶしぶ弾き始めた彼は、ふと窓越しに美しい少女を見る。その瞬間、明らかにその少女に向かって
音楽は走り出した。そして甘く切ないメロディーが自然にできあがった。

 この曲は、本当にこの映画の場面と合っていて、この映画のこの場面でなければ、この曲の良さも感じられないと言っていいほどの名曲です。

 曲の冒頭部分では、いかにも「しぶしぶ・・・・」という感じ、そして、少女を窓越しに見たときから、音楽はとても甘い旋律に変わる。少女に対する甘い恋心、憧れ、そして彼の視界から少女が去ってしまったときの切ない気持ちが、旋律と音色にこめられており、まさにその「音楽」は、彼自身の「心」そのものだった。と、私は感じます。

 弾き終わると彼は、録音したレコードを渡すことを拒んだ。
「これは僕の音楽だ。自分のいないところで自分の音楽を聴かれたくない。」と。


やはり、音楽とは、時間芸術なのだーと感じます。
 

「海の上のピアニスト」の関連HP・・・・http://www.asmik-ace.com/LegendOf1900/index.html
「海の上のピアニスト」の公式ページ・・・http://www.sonyclassical.com/music/66767/

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